神様の多い島なのです

神津島という文字の通り、神津島には神様がたくさんいます。

だから、今に残る神事もたくさんあります。

例えば、3月旧暦の1月25日は神様が島に集まる日となっています。

この日、島は人間の領域から神様の領域へと変化します。

仕事は夕方で切り上げ。どんな仕事をしている人もです。

そして、外に出ないで家の中で静かにしています。

お年よりは、昼の2時、3時ごろから布団の中でじーっとしているそうです。

夜になると、神主様も島の中を見回りして、

出歩いているものはいないか、騒いでいるものはいないか、
しっかりと確認するそうとか。

このとき、神主様に見つかるとこっぴどく叱られます。

暇なので家の中で麻雀をしたりしている人々も、この時ばかりは

息を潜めます。

実際、この日に禁を破って外に出たことで、神様のお怒りに触れ、

命を落としてしまった人もいるということ。

こうなると笑い話ではすみませんね。

でも、修学旅行みたいで、ちょっぴり楽しそうではありませんか?



神様の祟りといえば、他に有名なのが阿波命神です。

この神様はたいそう欲深な女の神様らしく、自分のお膝元から

どんなものも持ち出すことを許しません。

これが、阿波命神社のすぐ下に広がる長浜の光景です。

ここは色とりどりの小石が転がっている浜で、おもわず記念品に

持ち帰ってしまいたくなるほどです。

こっ、これは石の宝石箱やぁっ!



でもご注意。

ここの石を持ち帰るということは、即座に天罰を意味します。

命が惜しければ、軽はずみに石を持ち帰らない方がいいでしょう。

4月15日には、ここ長浜でお祭りが行われます。

この日には、できるだけ平べったい石に砂を盛って、

阿波命神社の鳥居の下まで運びます。

なんだか珍しいお祭りですね。

一万年ぐらいすると石で鳥居が埋まるのでしょうか・・・



3/12追加:
1月25日の夜に外に出てはいけないという「二十五日様」は、
年貢を取り立てにきた代官一行を若者25名が皆殺しにし、
その若者たちが逃げるときに手助けされず、海で果てたために
亡霊となって伊豆の島々を巡るという由来もあるそうです。

参考サイト:http://www6.ocn.ne.jp/~nangoku1/kozudensetu.html