黒潮と赤イカ漁


今年はまだ気温は低めですが、桜も満開を迎えそうで、だんだん春めいてきましたね。
イカも本来でしたらそろそろ神津島で獲れてくる頃なのですが、今年は中々そうも行かないようです。

原因は海水温にあります。

イカケンサキイカは長崎が大きな産地と言うだけあって、南の方に分布しています。
海水温がある程度必要なイカなんです。
それで、なぜ海水温が低いのかというと、黒潮の流れが遠いからなんです。



これは、関東・東海の海水温を示した図です。
三重県水産研究所のサイトで公開しているものに注釈を加えてみました。

まず、図の中で長くて黒い点線の帯になっているのが黒潮。これが大体幅100kmだそうです。
そして青いのが冷たい海水、オレンジのが暖かい海水です。
暖かい海水は、黒潮にのってやってきます。ところが、図を見てもらえれば分かるとおもいますが、黒潮が伊豆諸島を大きく迂回してしまっているんですね。
黒潮にはおおまかに3種類のルートがあって、そのうち二つのルートでは伊豆諸島の間を流れるのですが、今の流れはそうでないルートです。

というわけで、黒潮に影響される魚介類はケンサキイカ以外にもいます。
たとえばカツオは黒潮に乗ってきて、静岡県での漁獲高が多いのでこの潮の流れに大きく影響を受けてしまっているとか。あとはイワシも、そうみたいです。

気象庁の予報ですと、4月の半ばぐらいには海水温が上がってくるようですが、長ければ後ひと月ぐらいはこのような状況が続くかもしれません。
こればっかりは神頼みになってしまいますので、如何ともし難い領域で……。
旬な赤イカをお届けするまでまだ掛かってしまいそうですが、もうしばらく待っていて下さいね。